独学で証券アナリスト試験に合格できるのか不安な方も多いと思います。
断言します!証券アナリスト試験は対策法を間違えなければ、
独学で十分に合格することが可能です。
この記事では、証券アナリスト2次試験に短期間で合格する方法をお教えします。
目次
証券アナリスト2次試験の勉強法【独学・ポイント・勉強時間】
2次試験の試験科目
- 証券分析とポートフォリオ・マネジメント
- コーポレート・ファイナンスと企業分析
- 市場と経済の分析
- 職業倫理・行為基準 ※2次試験から追加
2次試験合格に必要な勉強時間の目安
証券アナリストの2次試験合格までに必要な勉強時間は平均で200時間と言われています。
1次試験と変わらないですね。
2次試験も、証券分析とポートフォリオ・マネジメントのボリュームは他の科目の2倍ほどです。
時間配分としては、証券分析とポートフォリオ・マネジメントが100時間、残り2科目が50時間くらいといった感じです。
あれっ?職業倫理・行為基準は?
こちらに関しては試験直前期に3~5時間ほどあれば、8~9割得点できる科目です。
安心してください。(金融機関の方は、ほぼ常識で行ける可能性も。。。)
独学で合格するために使用する教材【2次試験】
まずはじめに、アナリスト協会から送られてきた大量のテキストはほぼ使いません!
一冊だけ、協会から送られてきたテキストの中で絶対に必要なものがあります。
それが、「職業倫理・行為基準」です。
この本だけは、絶対に捨てないでください。(合否に関わります)
1次試験と同じく、協会の推奨図書も不要です。
必要な教材は、1次試験同様TAC出版の出している総まとめテキスト・過去問題集です。
2次試験は基本テキストは科目別に3冊、過去問題集は1冊にまとまっています。
2次試験は特に過去問題集が重要です。
2次試験も試験会場では、予備校独自のものを除き、ほぼすべての受験生が総まとめテキストを使って勉強していました。ただ、重たい本を持っていくのは私はおすすめしません。(理由はのちほど)
【テキスト】
【過去問題集】
2次試験の勉強方法【科目別】
個人的なおすすめの勉強順位は、
- 証券分析とポートフォリオ・マネジメント
- コーポレート・ファイナンスと企業分析
- 市場と経済の分析
- 職業倫理・行為基準
ただし、科目の重要度でいえば、職業倫理・行為基準が最も重要です。なぜなら、2次試験はこの職業倫理・行為基準の得点による足切りが存在するからです。
次に重要なのは、証券分析とポートフォリオ・マネジメントです。
証券アナリスト資格なので、当然と言えば当然ですね。
ここで学ぶ、モダンポートフォリオ理論がこの資格の集大成みたいなところがあります。
どの科目も基本的な対策スタンスは変わりません。
合格ラインである約5割をどうやって稼ぐか、ということです。
しかし、2次試験は記述式の試験になりますので、なんとなく、では受かりません。
【理解しながら】頻出論点の過去問を繰り返し解く、これが最短の道になります。
①証券分析とポートフォリオ・マネジメント
2次試験は科目ごとに分かれておらず、試験は1回(420分)です。
そのなかで一番のウエイトを占めているのは、証券分析とポートフォリオ・マネジメントです。
1次試験同様、苦手分野を作らず、基礎的な問題を満遍なく、取りこぼすことなく得点することが合格への近道になります。
苦手な方が多いデリバティブは、試験対策上、丸ごと落としても合格できます。
試験範囲
- アセットアロケーション(60点)
- 株式ポートフォリオ戦略(30点)
- 債券ポートフォリオ戦略(30点)
- パフォーマンス評価(30点)
- デリバティブ(30点)
- 行動ファイナンスまたは信用リスクモデル(30点) 計210点満点
※その他の論点として、オルタナティブ・国際証券投資等細かい分野も含有しています。
4→3→1→4→6→5の順番で勉強するのがおススメです。
株式・債券分析はパターンが決まっており、得点源にしやすいです。
6の出題傾向として、行動ファイナンスと信用リスクは隔年で出題されるという傾向があります。デリバティブは難解なため深入りしないほうが無難です。(捨てる覚悟も)
また、他の科目(企業分析・経済)を絡めた出題もあるため注意必要です。
繰り返しになりますが、どの論点も基礎的な問題を、取りこぼしなく得点するのが重要です。
簡単にポイントをまとめておきます。
証券分析のポイント
- 苦手分野・捨て論点を作らない(デリバティブは捨ててもイイ)
- テキストに載っている公式は必ず暗記する
- 基礎的な問題は必ず得点する
- とにかく繰り返し過去問を解く
- 行動ファイナンス・信用リスクモデルは毎年交互に出題
- 過去問は解答までの流れ、理由を理解しながら解く
2次試験では、論点が同じでも形式が同じとは限りません。
問題を見て慌てないためにも、答えを覚えるのではなく、解法を理解してください。
繰り返し言いますが、とにかく繰り返すこと(+理解)が重要です!!
②コーポレート・ファイナンスと企業分析
コーポレート・ファイナンスと企業分析の得点配分は90点です。
公式を覚えれば解ける問題が比較的多いので得点源にしてください。
出題の内容は大きく分けて2つです。
株式価値評価(コーポレート・ファイナンス)と財務諸表分析です。
デュポンシステムや財務指標の公式など、公式を覚えていれば安定して得点できます。
CFと企業分析のポイント
- 公式を覚える
- 問題パターンを覚える
サービス科目とまでは言えませんが、比較的楽に得点でき、1次試験との難易度もさほど変わりません。
③市場と経済の分析
時事ネタがよく出題されます。
経済・金融のニュースには日ごろからアンテナを立てておきましょう。
また、市場と経済の分析の得点配分は40点です。
1次試験と同様に基礎を固めておけば大丈夫です。
また、記述試験なので、作図問題もあります。
主要なグラフ(AD-AS、IS-LM曲線)は書けるようにしておきましょう。
市場と経済のポイント
- 経済・金融ニュースのアンテナを張り巡らせておく
- 簡単なグラフを作図できるようにしておく
④職業倫理・行為基準
職業倫理・行為基準は協会から送られてきたハンドブックだけやれば大丈夫です。
直前期に3~5時間、1日でもほぼ満点が取れます。
足切り科目でもあり、配点も60点と経済よりも多くなっています。やらなきゃソンです。
解答に必要な行為基準等は問題に掲載があるので、暗記しなくても大丈夫です。
どのパターンで何が該当するのか理由を書いて選ぶだけです。
ただ、だいたいどこに何が書いてあるかがわかっていたほうが時間の短縮になります。
短縮した時間は、証券分析に充てましょう。
職業倫理・行為基準のポイント
- どこに何が書いてあるかを覚えておく
- 行為基準を暗記する必要はない
- 唯一足切りが存在する
- 短期間で満点が狙える
2次試験の得点戦略
2次試験は420点満点で、科目ごとの配分は次のようになっています。
科目 | 配点 | 目標 | 戦略 | |
証券分析とポートフォリオ・マネジメント | 210点 | 105点 | 難問・奇問は捨て基礎を満遍なく得点し、5割を目指す | ③ |
コーポレート・ファイナンスと企業分析 | 90点 | 72点 | 公式だけで解ける問題が多いため、8割を狙う | ② |
市場と経済の分析 | 40点 | 20点 | 基礎問題は落とさない | ④ |
職業倫理・行為基準 | 60点 | 54点 | 満点を狙うつもりで9割得点する | ① |
計 | 420点 | 251点 | 合格ラインは5割:210点ほど |
合格ラインは約5割で210点です。
得点の容易な①+②+③の3科目で231点と合格ラインを超えることができます。
そうです、証券分析の得点率が5割、経済0点でも合格できるんです。
足切りにならないように気を付けつつ、自分の得点しやすい科目を見つけ出し、
合格ラインまで点数を持っていく、得点戦略立てるのが王道です。
2次試験対策まとめ
簡単に大事なポイントをまとめます。
2次試験対策まとめ
- TAC出版の基本テキスト・過去問題集を使う
(協会の職業倫理・行為基準は必須) - 基礎的な問題を満遍なく得点する
(難しい問題は合否に関係しない) - 公式・パターンがあるものは暗記する
- 答えではなく、なぜそうなるのかを理解する
- 過去問をひたすら繰り返す
(問題を見ただけで頭の中で解法が浮かぶまで) - しっかりとした得点戦略を立てる
難しいといわれる証券アナリスト試験ですが、しっかりと対策すれば、合格は難しくありません。
とにかく、大事なところを繰り返し解いて力をつけていきましょう。
参考になるかはわかりませんが、管理人が実際に受験したからこそ思うことなど、
次の記事でお話していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。